要旨：服飾は人類が特有な労働成果の一つであると思われている。服飾は物質文明であり、精神文明の意味も含まれている。人類は未開の時代から文明時代に入るまでは数千年も経ている。人類の進化に伴い、服飾も生まれるようになった。服飾が生まれる日から、人類の美意識、自然観、また、色彩の嗜好などがほぼその中に織り込まれている。もちろん、日本における着物そういうところがある。着物は世界で高い評判を得ている服飾の一つで、今まで千年くらいの歴史を持っている。着物は絵が精緻で、色彩が鮮やかで、造型が美しくて、作り方が緻密で、生地も高級である。そのうえ、着物は日本の気候に適応し、日本人の形体の短所をさけ、長所を発揮するところがあると同時に、着物は日本人の伝統的な習慣と美意識、日本人の自然観を精力を傾けて具現するとも言われている。日本の服飾における設計の知恵と結晶でもあると思われる。

　　服飾はある意味では民族文化の一面を反映しているといえる。というのも、服飾文化の形成の歴史は一般的に長いし、その民族生活慣習に適応するように変化しているため、服飾は民族文化の反映であるといえる。もちろん、着物も歴史的変化から見ても、日本人の生活との関係から見ても、日本人の審美意識や自然観が見られる。

　　着物の起源については、紀元3世紀ごろまでさかのぼることができるが、14世紀の室町時代に、中国唐代の服飾の風格を吸収し、日本人の伝統的な美意識などにより、形が定まると言える。その後の600年間、大きな変化がない。