要旨: 東野圭吾は日本の推理小説家である。『容疑者Xの献身』によって第6回本格推理小説大賞を受賞すると同時に、第134回直木賞を受賞した。初期の作品はほとんどが本格推理小説である。後期の作品は社会問題に関わる小説である。『容疑者Xの献身』は東野圭吾のピークの作品である。小説は素朴な言葉を通じて人間性、愛と恨みを述べている。

　本稿は、東野圭吾の『容疑者Xの献身』を中心に、主人公の人間性を分析し、そして人間性と社会根源の関係を考える。第1章は国内外で東野圭吾及び作品の先行研究を紹介する。これに基づいて全般的に東野圭吾を認識する。第二章は東野圭吾自身、創作の背景と作品の粗筋を簡単に紹介する。第三章は簡単に主人公と彼たちの人間性を紹介する。石神哲哉―自分の能力を発揮することができない天才数学家である。花岡靖子―善良で軟弱な母親である。美里―弱そうなのに運命に反抗する勇気がある。湯川学―冷静で情けがある物理学部助教授である。遊民―目立たないホムレースである。主人公の人間性を分析する。第四章は人間性から見られた社会性を分析する。

　本稿は以上の研究により、次のような観点を明確にした：一、殘酷な現実は人間に影響を及ぼす。二、理性と感性の考えは人間性の複雑の原因である。三、人間性は社会に反映しているものである。

キーワード：人間性  社会  矛盾  変形  愛  価値

目次

要旨

中文摘要

はじめに-1

１．東野圭吾についての先行研究-1

　　１.１日本で東野圭吾についての研究-1 

　　１.２国内で東野圭吾についての研究-2

２．『容疑者Xの献身』について-2

　　２．１作者について-2

　　２．２作品の背景-3

　　２．３小説の粗筋-4

３．人間性についての分析-5

    ３．１人間性の定義について-5

　　３．２主人公の人間性について-5

３．２．１石神哲哉-5

３．２．２花岡靖子-6

３．２．３美里-7

３．２．４湯川学-7

３．２．５遊民-8

　　３．３複雑の原因について-8

４．人間性から見られた社会性-8

おわりに-9

参考文献-11

謝　辞-13