要旨：吉本ばななは日本20世紀80年代の新人作家で、「日本近代文学天后」と思われている。彼女の小説は日本の若者によく受け入れられ、1989年に日本で「バナナブーム」という現象を起こした。『キッチン』は吉本ばななが日本文壇に入る代表作である。その小説を通して、吉本ばななは第6回の「海燕新人文学賞」と「泉鏡花文学賞」を獲得した。

「死」というテーマは吉本ばななの小説でよく表現されている。作者の作品で死亡を交えるすばらしいストーリーは読者に死亡についての思考を起こさせ、それに、読者に死亡を直面させ、生を探す勇気を与える。本論文は『キッチン』における「生」と「死」のテーマを出発点として、その「生」と「死」の在り方および関連性について検討したい。また、吉本ばななは「生」と「死」のテーマに強い興味を持っている原因を明らかにしたいと思う。

本稿は以下に述べる三章からなっている。第一章は『キッチン』のあらすじと吉本ばななについて紹介する。第二章は三部分に分かれる。第一部分は「身の回りの死」と「精神の死」から『キッチン』における「死」を検討する。第二部分は「物質依頼」、「精神の癒し」、「自我の救済」という点から『キッチン』における「生」を考察する。第三部分は「死」と「生」の関連性について説明する。第三章は吉本ばななが「死」と「生」のテーマに強い関心を持っている原因という点から分析する。

以上の分析から見れば、吉本ばななは主人公の精神および生活状況などの描写を通して、「死」と「生」という抽象的なテーマを具体的な在り方であらわにする。また、「死」のテーマは死亡をもたらすだけでなく、「生」を探すための鍵である。

キーワード：吉本ばなな、『キッチン』、死、生

目次

要旨：

中文摘要

はじめに-1

第一章 『キッチン』と吉本ばななの紹介-2

1.1『キッチン』のあらすじ-2

1.2吉本ばななの紹介-2

第二章 『キッチン』における「死」と「生」-3

2.1『キッチン』における「死」-3

2.1.1身の回りの死-3

2.1.2精神の死-4

2.2『キッチン』における「生」-4

2.2.1物質依頼――キッチン-4

2.2.2精神の癒し――田辺雄一、えり子-5

2.2.3自我の救済-6

2.3「死」と「生」の関連-7

第三章 「死」と「生」のテーマに強い関心を持っている原因-8

3.1作者の幼年体験の影響-8

3.2日本の伝統文化の影響-8

3.3時代背景の影響-9

終わりに-9

参考文献-11

謝辞-12